名勝 旧大乗院庭園(名勝大乗院庭園文化館)
名勝 旧大乗院庭園
奈良ホテルの南側に隣接する「名勝 旧大乗院庭園」が2017年7月1日より、園路の一般公開を開始いたしました。
大乗院とは、1087年(寛治元年)に創建され、平安時代から江戸時代に栄えた門跡寺院のひとつ。(藤原氏の子弟が入室し、興福寺の別当職を輩出していた。)治承4年(1180年)の南都焼き討ちによる焼失後に現在地に移り、廃仏毀釈の影響で明治初年に廃寺となるまで存続していました。現在、その敷地内の一部が奈良ホテルとなっています。
同庭園は室町時代の徳政一揆で荒廃しましたが、その後門跡尋尊大僧正の依頼により、室町時代に活躍した作庭の名手善阿弥によって改造されます。将軍足利義政を始め公家たちがしばしば拝観に訪れ、以降、明治初頭まで南都随一の名園と称えられていました。
一時は奈良ホテルのテニスコートやパターゴルフ場が設置されたこともありましたが、戦後その一部が整備され、1958年(昭和33年)国の名勝に指定されるに至りました。
1995年からは奈良文化財研究所による発掘調査と並行して、江戸時代末期の門跡・隆温が描いた「大乗院四季真景図」をもとに復元工事が進められ、この度平城遷都1300年祭に伴い、一般公開を開始いたしました。
門跡・隆温の描いた「大乗院四季真景図」を宮嵜春翆が模写した作品を奈良ホテルでご覧いただけます。
名勝大乗院庭園文化館
「名勝 旧大乗院庭園」の一角に建てられた「名勝大乗院庭園文化館」は、かつての大乗院を復元した模型や、関係資料の展示を無料公開する歴史的文化遺産に親しむ施設であるとともに、各種催しに利用いただける茶室や会議室(有料)を備えています。
また、屋外の築地(ついじ)塀には御所馬場町にあった楽人長屋土塀のデザインを取り入れています。